あのマンガの聖地! 北九州市で聖地巡礼気分を味わってみた

聖地巡礼というものがある。いろいろな聖地巡礼があるけれど、近年、日本で流行っている聖地巡礼は、マンガやアニメの舞台となった場所に行くというものだ。映画「君の名は。」の四谷の須賀神社や、アニメ「ガールズ&パンツァー」の茨城県大洗町などが有名だろう。

自分が住んでいる街や、知っている街がマンガやアニメに出てくるのは嬉しいこと。また観光地ばかりではなく、なんでもない景色がマンガに出てくるのも嬉しい。ということで、少女マンガ「コズミック・ラヴ」の聖地巡礼をしてみたいと思う。

北九州市はマンガの街
福岡県北九州市はマンガやアニメ、映画の舞台になっている。古いところだと映画「宇宙大怪獣ドゴラ」や「網走番外地 悪への挑戦」、最近だと「MOZU」などがそうだ。映画やドラマを見ていると「北九州だ!」ということがよくある。

そして、漫画の街です!

実写だけではない。北九州市はマンガの街でもあるのだ。松本零士氏、わたせせいぞう氏、畑中純氏、北条司氏など北九州ゆかりの著名な漫画家が数多く誕生している。マンガなくして北九州は語れないのだ。

漫画ミュージアムもある!

小倉駅近くにあるビル「あるあるCITY」には、アニメイトやまんだらけ、らしんばんに駿河屋など、心ときめくお店が入っている。そのビルには「北九州漫画ミュージアム」まであるのだ。これだけでも聖地と言える。

あるあるCity
http://aruarucity.com/

北九州漫画ミュージアム
http://www.ktqmm.jp/

街中にもマンガが!

ということで、マンガに登場した北九州市のその場所に行ってみようと思う。どのマンガがいいか悩んだ結果、90年代後半に出版された伝説的少女マンガ「コズミック・ラヴ」の聖地を巡礼したいと思う。

少女マンガ「コズミック・ラヴ」

マンガ「コズミック・ラヴ」
少女マンガ「コズミック・ラヴ」はしずる氏が描いた恋愛マンガである。北九州モノレールの運転手である「守恒駿」と、小倉駅の近くにある不動産系の会社で働く「海風ふうか」の甘く切ない恋物語が繰り広げられる。そして、舞台が北九州なのだ。

コズミック・ラヴ(P18より)

たとえば、「コズミック・ラヴ」の18ページに愛を語り合う名場面がある。守恒が海風の肩を抱きながら「好き」とお互いに言い合うのだ。キュンキュンしちゃう。このシーンの景色が門司港にあるのだ。

これです!

それは「ブルーウィングもじ」で、日本最大級の歩行者専用はね橋。1日6回跳ね上がり、橋が閉じて最初に渡ったカップルは一生結ばれると言われている。マンガ通りのロマンチックな場所だ。恋人の聖地にも認定されている。同じような写真を撮って比べようではないか。

コズミック・ラヴ(P18より)

本当のブルーウィングもじ

一緒だ。全く一緒だ。これが聖地巡礼の醍醐味。マンガの名場面と同じ景色が目の前に広がるのだ。違いがあるとすれば、コズミック・ラヴでは守恒と海風が肩を寄せ合っているけれど、私は一人ということくらいだ。

ブルーウィングもじ
http://www.gururich-kitaq.com/search/category/detail.php?id=226

近くには「関門橋」があり、

和布刈(めかり)神社もある

ブルーウィングもじの近くには北九州と山口をつなぐ関門橋があり、その下には和布刈神社も鎮座している。和布刈神社は創建が西暦200年という歴史ある神社で、ワカメを刈って神前に備える「和布刈神事」も有名だ。フグの形をしたおみくじもあり、とてもかわいい。

和布刈神社
https://www.mekarijinja.com/

かわいい!

若戸航路の名場面
次は守恒と海風の感動の別れのシーン。船に乗り離れていく海風とこちらに残る守恒が悲しみながらも愛を伝え合う場面だ。船に乗り遠くへ行く感じの演出が実に涙を誘った。

コズミック・ラヴ(P32より)

感動のシーンです!

このシーンの舞台となった場所も北九州にキチンと存在する。それは若松渡船で、建設当時は東洋一の吊り橋と言われた若戸大橋の下を通る。北九州市の戸畑区と若松区をつなぐ、乗船時間わずか3分の渡船である。

趣がある、

渡船です!

安い!

海風たちはわずか3分の別れですら悲しいという、二人の愛の強さを示したシーンなわけだ。若松から小倉へは渡船を使い通勤する人もいるくらい近い。ちなみにこの日の夜に二人は再会して食事に行く。だって乗船時間3分の別れだから。

コズミック・ラヴ(P32より)

本当の若松渡船

やっぱり同じだ。マンガは晴れているけれど、こちらは雨。向こうは船に彼女が乗っているけれど、こちらは一人。そういう違いはあるけれど、同じなのだ。守恒に気持ちが入ってきてなんだが泣きそうだった。ちなみに船も趣があって乗ると楽しい。

若戸渡船
http://www.gururich-kitaq.com/search/category/detail.php?id=54

若戸大橋の下を通る

出会いはモノレール
北九州にはモノレールが走っている。コズミック・ラヴの主人公「守恒駿」がそのモノレールの運転手。守恒と海風の出会いもモノレールだった。厳密にはモノレールの下を歩く海風が何かを感じる。これが運命の出会いとなったのだ。

コズミック・ラヴ(P3より)

運命的な出会いだ。前後して申し訳ないが、これが最初の出会い。ここからこの甘く切ない物語が始まるのだ。二人が直接会っていないのに、運命的な出会とするこのシーンは当時大きな話題になった。新しい形の運命の出会いなのだ。

モノレールってカッコいい

ちなみに海風はモノレールの「徳力公団前駅」を利用している設定になっている。この日は旦過駅で降りて会社に向かう途中に頭を抱えて運命的な出会いとなった。その名場面の場所がキチンとあるのだ。感動だった。同じだ! と。

コズミック・ラヴ(P3より)

実際の場所!

私は海風のように何かを感じるということはなかったけれど、あの名シーンと同じ場所にいることができたのが嬉しい。聖地巡礼の喜びはこのようなところにあるのだろう。さらに聖地は続く。

コズミック・ラヴ(P15より)

うっかりな海風

二人が恋に落ちて初めてデートに出かけるシーンだ。レトロな雰囲気が漂う旦過市場を歩いているのだけれど、海風が家から靴を履き忘れたことに気がつくという、おちゃめさが際立つ場面。ちなみに旦過市場に行く前に二人は、小倉城や食事などをしている。

旦過市場です!

旦過市場はもちろんある。今も北九州の台所として賑わいを見せる。そして、マンガとほぼ同じ場所を見つけることもできた。ここで靴を忘れたのに気が付いたのか、と感動してしまった。

コズミック・ラヴ(P15より)

実際の旦過市場

靴を忘れるなんてすぐに気がつくだろうと思うけれど、二人の愛がそうさせたのかもしれない。そんなおっちょこちょいの海風に守恒はさらに惚れていくのだ。また次に紹介するあのシーンもファンの間では、海風の一途さがわかるシーンとして有名だ。

旦過市場
http://www.tangaichiba.jp/

コズミック・ラヴ(P41より)

二人でサッカー観戦をするためにサッカー場の前で待ち合わせをするシーン。海風が約束の日を勘違いして数日間サッカー場の前で待つ。少女マンガなのにキャンプ道具を持ち込み、泊まり込みで守恒を待つ一途さに当時の私は涙したのを覚えている。

ミクニワールドスタジアム北九州

そのサッカー場は、小倉駅から歩いてすぐの場所にある「ミクニワールドスタジアム北九州」がモデルだ。2017年に完成した新しいサッカー場ではあるが、90年代後半のマンガ「コズミック・ラヴ」にもなぜか描かれている。全く同じなのだ。

コズミック・ラヴ(P41より)

実際のミクニワールドスタジアム北九州

ミクニワールドスタジアム北九州は「ギラヴァンツ北九州」の本拠地であり、観客と選手との距離が近いことが特長だ。またバックスタンドが海に面しており、ボールが海に落ちる(海ポチャ)こともある。なかなかに特長的なスタジアムだ。

かなり綺麗です!

そんな場所で海風は数日間待ったのだ。あまりに待ち時間が長く、海風の気持ちが守恒から離れつつあるという、ドラマチックな展開へと続いていく。もっとも待ち合わせ日時を勘違いした海風が悪いのだけれど、恋愛とはそういうものではないのだ、という気づきを我々にもたらしてくれた。

ミクニワールドスタジアム北九州
http://www.kitakyushu-stadium.jp/

ここでサッカーしたい!

キュンキュンのラブシーン!
ファンの間では「海ポチャ事件」と言われている、ミクニワールドスタジアム北九州の件から、仲直りするシーンも実に感動的だった。アップルパイを一緒に食べるあのシーンだ。知っている人もいるかもしれない。

コズミック・ラヴ(P63より)

これで仲直りです!(P63より)

キュンキュンが止まらない。長いアップルパイを二人で風車の下で食べる。北九州の恋愛は素晴らしいと思った名場面。ぜひこのシーンを聖地巡礼と共に再現したい。ということで、まずはあのアップルパイを買いに走った。

洋菓子のカワグチの、

このアップルパイです!

50センチあります!

二人が食べたあの長いアップルパイは実在する。北九州市八幡西区にある「洋菓子のカワグチ」のアップルパイなのだ。50センチもある。「コズミック・ラヴ」では守恒がこれを買いに行き、あの風車の下で二人で食べるのだ。

洋菓子のカワグチ
http://www.cakelife.jp/

響灘北緑地にやってきました!

アップルパイも実在するし、風車の場所も実在する。これであのシーンを再現する準備は整った。マンガでは青い空が綺麗な日だったけれど、この日は風が強い雨の日だった。でもいいのだ。あのシーンが再現できるなら。

コズミック・ラヴ(P63より)

実際の響灘北緑地

ロマンチックが止まらない。一緒だ。相手こそいないけれど、名シーンを再現できている。風車がどこまで続く感じがとても絵になる。マンガの重要なシーンに使われるのが頷ける。近未来の海辺のようで本当に綺麗なのだ。

響灘北緑地
http://www.kitaq.net/archives/1668

そして、美味しい!

最終話の衝撃
ファンの間では「ロンパイ」と呼ばれる上記のシーン。二人は仲直りをして愛は最高潮へと達する。そして、始まるのが戦いである。守恒と海風はそれぞれに仕事をしているけれど、宇宙ポリスでもあったのだ。

コズミック・ラヴ(P143より)

コズミック・ラヴのクライマックスだ。宇宙からの侵略者「サウスン」と二人が宇宙ポリスとして戦う。守恒の手から出る「ノース砲」と、海風のハンドシールド「ナイン」で、二人協力しながら「サウスン」を倒すのだ。

戦ったのは夜の小倉城

少女マンガであることを忘れるような戦闘シーンだった。月刊誌掲載だったためここから7カ月ほど戦闘シーンが続いた。一進一退の攻防だったけれど、二人の愛の力でサウスンを倒すのだ。小倉城での戦いは多くの感動を呼んだ。

コズミック・ラヴ(P143より)

実際の小倉城

このあと合体ロボの登場やMTフィールドの取得などあるのだけれど、小倉城で二人生身で戦う様子は個人的には最高の盛り上がりだった。ぜひ聖地巡礼したい場所でもあった。少女マンガでの宇宙人襲来は、当時かなりの賛否があったようだ。

小倉城
http://www.kokura-castle.jp/

ライトアップされた小倉城は綺麗

そして、このマンガのラストーンは涙無くして語れない。海風が別の星に隊長として赴任して、守恒が宇宙ポリス北九州支部のエリアマネージャーとなるラストカットだ。鳥肌が立ち続けた。守恒の敬礼は海風へとエールと北九州を守るという強い意志を感じるのだ。

コズミック・ラヴ(P191より)

実際の場所!

最後のシーンはスペースワールドが聖地だ。残念ながらスペースワールドは2017年の大晦日に閉園となっているけれど、同じ場所で写真を撮ることができた。ちなみに跡地はイオンモールが大型複合施設を開業するとのこと。この景色を見ることができるのはそう長くはない。

感動しました!

コズミック・ラヴはない!
ということで、「コズミック・ラヴ」の聖地巡礼をした。北九州の魅力に溢れるシーンの数々だった。それもそのはずで「コズミック・ラヴ」は私が考えた実在しないマンガで、知り合いに絵を描いてもらった。好きな景色や好きなものがマンガになっているといいな、と思って自分で作ったのだ。自分のマンガで勝手に聖地巡礼は楽しいのでオススメだ。

全編誰か描いてくれないかな!

↑北九州市とのコラボ記事をまとめました!

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地主恵亮

地主恵亮

1985年福岡生まれ。地味なファッションと言われることが多いので、派手なメガネを買おうと思っています。東京農業大学非常勤講師ですが、たいだい家にいます。ご連絡は「jinushikeisuke@gmail.com」までお願いします。

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